父の自分探し。

 ふと、押入れを整理していたら、懐かしいものが出てきました。

これは、亡くなった父が、趣味で作っていた 「篆刻 (てんこく)」の作品です。

これを見ると「自分探し」という言葉を思い出します。

 会社勤めをしていた父は、所謂仕事人間で、趣味と言っても、付き合いでする「ゴルフ」位で、元来、根が器用で覚えこみもいいので、将棋も囲碁も出来たけれど直ぐ覚えちゃう為、飽きて中々長続きしなかったように思います。

工作や絵も上手でしたし、お裁縫も母よりも上手に縫いましたよ。

料理も時々変な味付けを押し付けてきましたけれど、真面目に作れば美味しいものも作りました。

 とあまりに何でもパッパと出来てしまうと、一見多趣味かなと思われがちですが、そうでもないみたいですね。(直ぐに、何でも出来るんだと思うと飽きが来るのが早いようです。)

そんな父が退職をしてみるといろいろと勝手が違ってしまい、、父なりに悩んだことがあったようです。

本当は死ぬまで仕事をしていたかったんでしょうが、世の中、そういう幸せな人は一握りですしね。 

ですから、朝から好きなお酒に飲んで憂さを晴らしていたこともありました。

それを見ていた私はもちろん、家族も辛かったです。

ある日、暇を持て余しても仕方がないと、どこかで吹っ切れたのでしょうか?

突然、カルチャースクール(大学の成人学校だったかしら?)に通うようになって、「篆刻」と出会い、夢中になって毎日のように彫り続けました。

 これが、甚くお気に召したようで亡くなるまで沢山の作品を彫っていましたよ。

アップしました作品は、私が貰ったというよりも、ケチな母(^^;;が、私の旦那に記念にあげてと言われて譲り受けたものです。

作品を見ていたら、父には及びませんが、私が、最近消しゴム判子彫りにはまったも親子だからかなと感じました。

しかしながら、今の家は賃貸な為、作品を飾ることが出来ず残念です。

こうやって、思い出してあげながら日記に書いて、心に留めておくことにしました。

いつか、自分宅が持てたら(もしくは、釘を打ち付けてもいい家に住めたら)飾るからね。

画像